二つの集計、一つの速報
16歳から64歳の就業率は2026年4月から6月で75.1%だった。失業率は4.9%。経済的不活動率は20.9%。この三つを合わせて読めば、労働市場はおおむねこれまでどおりのことをしている。
同じ公表資料のなかで、給与支払いを通じて賃金を受け取った被雇用者の数は2025年6月から2026年6月にかけて7万8000人、0.3%減少した。5月から6月にかけては1万3000人減り、国家統計局はこれを0.0%と丸めている。
どちらかが誤りに違いないと読者が考えたとしても無理はない。だが誤りではない。異なる対象を、異なる道具で測っており、この月にその区別は理屈の話でなくなった。
| 読み取り値 | 何を数えるか | 何を示したか |
|---|---|---|
| 就業率、16歳から64歳 | 就労年齢人口のうち基準週に有償の仕事をした者の割合、家計調査による。自分自身のために働く者や、誰も給与支払いを処理していない者も含む。 | 2026年4月から6月で75.1% |
| 給与支払いを通じて賃金を受け取った被雇用者 | 税務当局が保有する給与支払い記録の集計。調査でも自己申告でもなく、雇用主の給与支払いを通じて実際に支払いを受けた者の行政記録である。 | 2026年6月までの一年で7万8000人減(0.3%減)、前月比で1万3000人減(0.0%) |
| 失業率、16歳以上 | 労働力人口のうち、仕事がなく、就労可能で、積極的に求職している者の割合。どれほど仕事を望んでいても求職していない者は含まない。 | 2026年4月から6月で4.9% |
| 経済的不活動率、16歳から64歳 | 就労年齢人口のうち、働いてもおらず求職もしていない者の割合。失業率が取りこぼす人々をすべて受け止める区分である。 | 2026年4月から6月で20.9% |
| 欠員 | 雇用主が積極的に埋めようとしている未充足ポストの推計数。より完全な数値に先立って公表される早期推計。 | 2026年5月から7月で70万7000件、四半期比で6000件減(0.8%減) |
一方は家計に尋ね、他方は給与明細を読む
就業率は調査から得られる。調査員が特定の一週間に何をしたかを人々に尋ね、有償の仕事をした者は就業者として数えられる。誰のもとで働いたかを問わず、いずれかの組織がその人のために給与支払いを処理しているかどうかも問わない。
給与支払い名簿上の被雇用者数は税務記録から得られる。誰にも何も尋ねていない。数えているのは給与支払い記録であり、その月に雇用主の給与支払いを通じて実際に支払いを受けた人々である。
したがって両者は一つの量をめぐる競合する推計ではない。「この人は働いているか」と「この人は給与支払い名簿に載っているか」は別の問いであり、どちらの測定も失敗しないまま、労働市場は両者を引き離しうる。
この速報にできないのは、その差のどこまでが何によるものかを述べることだ。差を分解する数値は示されていないので、こちらからも提示しない。誠実な言い方はこうなる。給与支払いの集計は減り、調査に基づく就業率は保たれた。そして理由をこの資料は決着させていない。
なぜこの区別が求人広告にまで届くのか
求人サイトで応募できる仕事のほぼすべては、給与支払い名簿に載る仕事の提示である。誰かがあなたを自分の名簿に載せようと申し出ている。つまり、減ったほうの集計こそ、求人広告が実際に差し出しているものを描いている。
欠員はその隣に並ぶ。5月から7月の早期推計は70万7000件で、前四半期から6000件、0.8%の減少だった。崩壊ではない。回復でもない。
これは率直に述べておく価値がある。マッチングの仕組みは、私たちのものも含めて、そのどれも見ていないからだ。求人を読むことはできる。その背後の給与支払いが増えているのか縮んでいるのかは読めないし、広告からはあなたにも読めない。
三つめの数値は自分自身と食い違う
賃金は年間で、賞与を除く所定内賃金が3.5%、賞与を含む総賃金が4.1%伸びた。
それが何を買えたかに換算するには、物価指数で割る。国家統計局は二つ公表している。CPIHを用いると実質の伸びは所定内賃金で0.5%、総賃金で1.1%。CPIを用いると、同じ賃金の伸びが0.7%と1.3%になる。
これは丸めのぶれではない。賃金が物価をかろうじて上回っていると述べるか、余裕をもって上回っていると述べるかの違いであり、書き手がどちらの指数を選ぶかにすべてが懸かっている。実質賃金の数値を一つだけ、指数を示さずに引用する者は、選択を事実であるかのように報じたことになる。
| 賃金指標と、用いた物価指数 | 年間実質伸び率 |
|---|---|
| 所定内賃金、CPIHで実質化 | 0.5% |
| 所定内賃金、CPIで実質化 | 0.7% |
| 総賃金、CPIHで実質化 | 1.1% |
| 総賃金、CPIで実質化 | 1.3% |
これらの数値がどこまで支えられるか、国家統計局自身の言葉
多くの統計機関以上に、国家統計局はこの速報を自らの数値のどこが弱いかを告げることに費やしており、その注意書きは同局を引用するあらゆる記事に属する。
調査について。「短期の変化から結論を導く際には慎重を期すべきであり、利用者にはデータの長期的な動きに注目することを勧める。」さらに、とりわけ標本が小さくなる細かい内訳では変動が残るとしている。
その調査の実査について。2026年5月に運用上の問題が生じ、電話による実査で一時的に人員が不足した。
直近の給与支払いの読み取り値について。7月の数値は「暫定推計として扱うべきであり、翌月により多くのデータが入手されれば改定される可能性が高い」。直近月の求職者給付受給者数も暫定である。
これらは速報を使えなくするものではない。12か月の動きのほうが月次の動きより重く支えられるということであり、だからこそ冒頭に置いた数値は前月比ではなく前年比の変化である。
ここから私たちが受け取るもの
私たちはマッチングの製品を運営しているので、ここでの関心は狭く、それは認めておくべきだ。労働市場は堅調だ、あるいは崩れつつあると誰かが言うとき、まず問うに値するのはその人がどの道具を読んだかである。今月、それらの道具は公然と食い違ったのだから。
次に問うべきは、その数値が水準か変化かである。労働市場をめぐる議論の多くは、二人が互いに異なる種類の数値を引用し合っているだけだ。
私たちは自分たちのマッチングがどう検証されているか、至らない部分も含めて公表している。国家統計局の見出しだけでなく注意書きを載せるのと同じ理由による。
私たちは自分たちのマッチングを偏りについて検証し、都合のよくない部分も含めて結果を公表している。 マッチングの検証方法 は、統計家の見出しだけでなく注意書きを印字するのと同じ規律である。