失業者は減ったが、就業者がはっきり増えたわけではない
2025年9月から2026年9月までに、カナダの失業者数は12万1200人減って147万4900人となり、失業率は7.1%から6.5%に下がった。Statistics Canadaは2026年10月9日にこれらの数字を公表した。二つの変化の標準誤差は4万600人と0.2ポイントで、どちらの低下も調査の誤差の範囲を大きく超えている。
就業者は同じ1年間に9万4900人増えたが、その標準誤差は6万7500人で、この増加は変化なしと区別できない。働いているか仕事を探している人全員を指す労働力人口は、標準誤差6万3800人に対して2万6300人少なく、ほぼ変わらなかった。労働力率は65.2%から64.8%にわずかに下がり、これは誤差の範囲の境目にある変化である。
9月の1か月だけで、就業者は6万8300人減り、その標準誤差3万3200人の2倍を超えた。失業率はこの月に6.4%から6.5%へわずかに上がったが、これは誤差の範囲0.1ポイントの内側の変化である。
| 指標 | 2025年9月 | 2026年9月 | 変化 | 誤差の範囲を超えるか |
|---|---|---|---|---|
| 15歳以上人口 | 34,671,900 | 34,854,900 | +183,000 | 標本誤差なし |
| 労働力人口 | 22,606,000 | 22,579,700 | -26,300 | いいえ |
| 就業者 | 21,009,900 | 21,104,800 | +94,900 | いいえ |
| 失業者 | 1,596,100 | 1,474,900 | -121,200 | はい |
| 失業率 | 7.1% | 6.5% | -0.6 | はい |
| 労働力率 | 65.2% | 64.8% | -0.4 | いいえ |
調査が数えているもの
失業者とはILO基準の失業者、すなわち仕事がなく、働き始めることができ、仕事を探している人である。これを測るのは労働力調査であり、Employment Insurance(カナダの失業給付制度)を請求している人の数ではない。それは別の数字である。
この調査は標本調査なので、すべての変化に誤差の範囲がともなう。Statistics Canadaは変化ごとに標準誤差を公表しており、この記事では、変化がその2倍を超えるときにだけ確かなものとして扱う。
人口は調査そのものの人口で、Statistics Canadaが人口推計をもとに推計したものである。標本誤差はなく、ほかのすべての数字はこれを尺度として描かれる。
- 指標。ILO基準の失業者、すなわち仕事がなく、働き始めることができ、過去4週間に仕事を探した人。Employment Insurance(カナダの失業給付制度)を請求している人の数ではない。
- 誤差の範囲。労働力調査は標本調査である。Statistics Canadaは変化ごとに標準誤差を公表しており、その2倍を超える変化は偶然のぶれとは考えにくく、それより小さい変化は変化なしと区別できない。
- 人口。調査が代表する15歳以上の人々で、Statistics Canadaが人口推計をもとに推計したもの。標本誤差はなく、ほかのすべての数字の規模を決める。
したがって、失業者が12万1200人減ったことは、12万1200人が新たに職を得たという意味ではない。就業者の増加は9万4900人で誤差の範囲内にあり、残りの減少は、増えなかった労働力人口から来ている。
一つの指標、一つの誤差の範囲、一つの人口があり、そのどれかを忘れた読み方は、出典が言っていないことを言う。
急速な増加が止まった人口
2026年9月までの1年間に15歳以上人口は18万3000人増えたが、これは1977年10月から比較できる系列のなかで、12か月間の増加として最も小さい。2024年9月までの1年間には119万3800人、2025年9月までの1年間には58万2100人増えていた。
人口の増え方が小さくなるなかで労働力人口は増えず、就業者がほとんど動かなかったにもかかわらず失業者は減った。計算はぴったり合う。失業者の12万1200人の減少は、就業者の9万4900人の増加に、労働力人口の2万6300人の変化を加えたものである。
3年間で失業率は上がってから元の水準に戻った。2023年9月は5.5%、2024年は6.5%、2025年は7.1%、2026年は6.5%である。公表された就業者数は毎年増え、増加幅は32万2900人、21万3900人、そして9万4900人で、最後の増加は誤差の範囲内だった。
| 9月 | 人口 | 労働力人口 | 就業者 | 失業者 | 失業率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 32,896,000 | 21,654,500 | 20,473,100 | 1,181,400 | 5.5% |
| 2024 | 34,089,800 | 22,231,800 | 20,796,000 | 1,435,900 | 6.5% |
| 2025 | 34,671,900 | 22,606,000 | 21,009,900 | 1,596,100 | 7.1% |
| 2026 | 34,854,900 | 22,579,700 | 21,104,800 | 1,474,900 | 6.5% |
これらの数字が語らないこと
理由は語らない。移民政策、関税、金利、人口の高齢化のいずれも、ここでは何も測っておらず、いかなる政策も評価していない。
より多くのカナダ人が職を得たとは言っていない。就業者の増加は調査の誤差の範囲内にある。給与、労働時間、Employment Insuranceについては何も語らない。
対象はカナダ全体であり、どの州でもなく、このいずれも予測ではない。1か月分の調査データは1年分よりもぶれが大きく、次の公表で全体像が改訂されることもありうる。



